ウェルカム
ウェルカム・メッセージ

こんにちは。このホームページを制作した男です。
正確に言うとこの文章を書いている今現在、まだなにも手をつけてないので、制作予定の男です。
ただ自信を持って言えるのは、大して役立たない情報サイトになるだろうな。ということです。
もうそれに関しては、自信というより確信です。今さら松坂語録です。
街歩きや川越の情報収集のためにここへ来てくださった皆様には、平謝りをする他ありません。
きっとサツマイモの妖精かなんかの悪質なイタズラでこのサイトに導かれてしまったのでしょう.

ただこうして出会えたのも運命です。少しだけお付き合い頂けたらと切に願います。
とりあえず、これ以上の混乱と舌打ちを招かないためにも、今からこのサイトの趣旨、及び制作に至るまでの概略、葛藤、熱意を簡単に説明しておきます。


とにかくホームページを作らねばならない。
自分が今現在、陥っている状況である。
「とにかく」にあたる部分には、そうなるまでの理由やストーリーがかくれているのだが、ひとまず多くを語るのはよしておこう。
そして、とにかく時間がない。
これも現在のおれの状況だ。
(実は今、「とにかく」を「と仁鶴」と変換ミスした。
まさかの笑福亭仁鶴のサプライズ登場に、早くも集中力はガタ落ちだ。
「四角い仁鶴がまーるく収めまっせえ」  
ほら幻聴が聞こえる。隣にはもちろん上沼恵美子相談員が座っている。)

なによりテーマ選びに難航した。
なにしろ見ず知らずの人に向けて発信したいテーマがさっぱり思い浮かばない。はっきり言って皆無だ。
さらに生来の人間嫌いが災いして、フェイスブックやツイッターはおろか、ポケモンの交換さえやったことのないおれだ。
どこまでのレベルなら発信が許されるのか、そして好ましいのかもよくわからない。

「お尻の一部がかゆい、なう」はたぶんシカトされる。
「瞳孔が開きっぱなし、なう」はたぶんヘヴィーすぎる。
「君んちの前にいるよ、なう」はたぶん通報される。

そう、おれだってこれくらいの分別はつく。人として。ただここが限界だ。それ以上はよくわからない。
ケータイを手にして初めて作ったデコメールが、「おち○ちん殿」というワードが右から左へゆっくり流れていくものだったことを考えると、あまり自分の感覚を信用しないほうがいいのは明白だ。
しかも今回はホームページ制作とあって、確実にデコメ以上のミッションなのは間違いない。
いちおうロックンロールや野球や鳥のから揚げなど、それなりに好きなものはあるのだが、とはいえ人に語るほどでもないにゃあ、と今いち熱が入らない。どうしようかにゃあ。
にゃあにゃあ。重度の猫アレルギーにも拘わらず猫マネをやってしまうこの倦怠感。言うまでもなく集中力なんて、とっくにゼロだ。
進むべき方向も見えず完全に迷宮入り決定。迷宮なう。とりあえず迷宮の写メでも撮りますか。うっひょい。
ああ、もう我ながらひどい。生まれて初めて文字にした「うっひょい」。
しかも自分の文章に誘発されて、心なしか尻がかゆい。


そして悩みに悩んだ末に、おれは故郷である埼玉県は川越をテーマに選んだ。
「え? 結局そこ?」と周囲の人間は首をかしげていたが、誰よりも一番、おれ自身が首をかしげている。
「なんでだろう、なんでろう。
なぜだ、なんでだろう。
なんでだろ~なんでだろ~」
おや、赤ジャージと青ジャージが数年ぶりに脳内で踊りはじめた。

テツ&トモ シルエット

いやしかし、ありがちや平凡などと言われようが、これでも熟考に熟考を重ねた末の選択である。
白状すれば、昨日まではなにを血迷ったかサツマイモをテーマに選び、それ一本でなんとか押しきろうとマジに考えていた。
だが即、断念した。
「イモって良イモんです!」という自分でつけたサイト名に、自らイラついたのはたしかだが、それだけが理由ではない。
川越近辺はたしかにサツマイモの名産地であるが、おれ自身の消費量でいえば年間0.2グラムくらいだ。
そう、致命的なイモ嫌い。まだ雨とか虫とかのほうが多く口内に入っているだろう。
要するに、おれにはイモを語る資格なんてないってことだ。
そこから考えれば、まだ川越のほうが語る資格があるだろう。しかも空前の街歩きブームの今、これはそんなに悪い選択だとも思えない。
さらにここは故郷だ。おれは生粋の川越発、小江戸っ子だ。ある程度のことは書いても許されるんじゃないかという、若干の甘えもあるにゃあ。

前述の通り、おれはこの街で生まれこの街で育った。
長渕剛なら 「だけど俺はこの街を愛し、そしてこの街を憎んだ」
と続くところだが、残念ながらおれにそこまでのパッションはない。
ここまでの文章でわかるように、虚ろな目で怠惰に生きてきた。
虚ろすぎて、真昼に職質されたことだって一度や二度じゃない。靴下の中まで調べられたときはびっくりした。初対面の外国人にブラザーと呼ばれ、薬局には売っていない薬を掴まされそうになったことも多々ある。
こんな奴に憎まれたら川越だって逆ギレするだろう。
そしてこれは余談だが、またしても自分の文章に感化されて、おれの頭の中は「長渕 feat. テツandトモ」といった、ハードコアなライブ会場になっている。

「ああ、しあわせのとんぼがほら、舌を出してえぇぃ、なんでだろー」

長渕シルエットテツ&トモシルエット

もちろんDJは、仁鶴と恵美子だ。舞台裏にはパッション屋良も控えている。
そして、おれは頭をかきむしる。
「時間がないのに!」
時間を無駄にできない時ほど、無駄なことばかり頭に浮かぶ。おれの悪いくせだ。
高校時代の世界史のテスト前夜のときもそうだ。
現実逃避を望んだ脳がどう暴走したのか、気づくとおれは全然興味のないはずの鈴木亜美について猛然と調べていた。
テスト当日のおれの頭に入っていた情報は、
「2月9日誕生日(おニク大好き鈴木亜美)。寿司屋に入って最初に頼むのはウニ、同じくシメもウニ」である。
よく登校したな。と逆に誉めてやりたいくらいのチャレンジ精神。


初めに断わっておくと、郷土愛うんぬんの前に、おれに足りないものがひとつある。
川越に関する知識だ。恥ずかしながら、あまりにも身近な存在すぎて、今まで調べよう、知ろうという気が一切起きなかった。
こういうことを言うと無性に怒る人がいる。特に歴史があれこれあるぶん、川越にはそんな輩が多いような気がする。
小学生時代から今まで何度、川越の歴史くらい知っておいたほうがいいと言われたことか。
ただ愛着がないわけでは決してない。渋谷のドンキや六本木のクラブに立っているときも、心の片隅には時の鐘があった。イモもいた。愛郷精神はかなりあると言っていいだろう。
そう汗をふきふき必死に弁解しても耳を貸さない人がいる。

じゃあ、そうやっておれを責める人(仮にイモ吉さんとでもしておこう)に逆に聞いてみたい。
「うまい棒、好きですか?」と。
いや大丈夫、おれはまともだ。そう、これは伏線。日本人にうまい棒が嫌いな奴はいない。
だからイモ吉さんはこう答えるだろう。
「むろん、好きだよ。それが?」と。
引っかかったな、イモ吉さんよ。こみ上げるその言葉を抑えて、おれはこう続けるだろう。
「じゃあ、うまい棒を製造している会社をすぐ言えますよね?」と。「あのドラえもんもどきな灰色のキャラの名前、もちろん知ってますよね?」と。
「……………………」
「黙ってたらわかりませんよ、イモ吉さん? うまい棒が好きなんですよね、イモ吉さん?」
そこまで考えて、おれは我に返る。
「時間がないのに!!!! イモ吉って誰だ!!」

相当まずい。被害妄想と加害妄想がブレンドするくらい精神がナーバスになってきている。泣きながら無意識に頭の毛をむしり出しそうだ。
これは早いとこホームページを作りあげたほうがいい。イモ吉を追い詰めるのはそれからでも遅くはない。
イモ吉はともかくとしても、たしかに川越に関する知識はほとんど無い。だが川越で生きてきたがゆえの思い出は沢山ある。
そう、知識はないけど、思い出はある。

なんだか。
今なんだか、名言を言ってしまった気がする。
後ろに「JR東海」のナレーションでも付けてみようかな。

「知識はないけど、思い出はある。
そうだ 京都、行こう。 
JR東海」

そして、おれは頭をかきむしる。
「時間がないのに! しかも京都になっちゃったよ!」


そんなこんなを経て、これからおれは着手し始める。
テーマが決まった今、あとはひたすら手を動かすだけだけだ。
残したい思い出も、消したい思い出も、書けない思い出もある。
言わずもがな、書けない思い出は一切書かない。告訴される。
ただそれ以外は寄せて集めて、パッドも詰めて、なんとかお茶を濁せるくらいの形にしてみようかなと思う。
いや、そんな弱気じゃだめだ。中途半端が一番だめだ。やる意味がないし、つまらない。そんなことは過去の体験からして明白だ。
だからやるからには攻める。夢中で攻める。と仁鶴、攻める。
なにをどう攻めるかは自分でもよくわからないが、そこは深く考えず攻める。
戦う時がきたってことだ。
今からおれは、おれがおれであるための川越をここに記す。
ここ数行、なにを言ってるのか自分でわからない。
まあいい、攻めよう。
なにも恐れるな。
さて記そう。
いざ攻めよう。
では攻めよう。
ふむ記すべし。
うるせえ早く記せ。


というように、このホームページは上記のように混沌とした感情から抽出されたものです。
マッドかつカオスなことになるのは当然だなとうなずきながら、天海大僧正のような広い心でご覧になってください。
そして最初に重要なことを言っておきますと、これから時の鐘周辺を中心にいくつもの私的川越オススメスポットやお店を紹介する予定ですが、あえてひとつひとつの詳細な地図は載せません。だって考えてみてください。
そんなのとっても面倒くさ 味気ないじゃないですか。
かつて職場の先輩がこんな名言を言っていました。

「昔はカーナビなんてものはなかった。だからたどり着いた時の喜びはひとしおだった。
助手席の女子にも地図をぐるぐるさせて首をかしげる仕事があった。
そしてなにより、初デートの帰り道、あえて迷うという大技が使えたのだ」

大事なのは一行目だけですが、とにかくそういうことです。
大丈夫です。そこら中に案内所も食べ物屋もみやげ屋もあります。バスもありますし、看板もいたる所にあります。川越で遭難できたら、逆に大ニュースです。神隠しです。

それともうひとつ、川越の醍醐味は裏路地にこそあり、ということです。迷うことがこんなに楽しい街もなかなかないんじゃないかと無責任に宣言します。
川越は城下町だけあって、敵の侵入をふせぐために迷路のような小路がたくさんあります。もしもふと目をやった先に不思議な小路があったら、迷わずそこへ迷い込みましょう。
そこには表向きの取り繕った川越ではなく、素顔の川越があります。パジャマ姿かもしれません。それくらい無自覚にあの時の日本が残っています。
そしてその路地の奥にいるのはあの日のあなたかもしれません。
途中から大分むぎ焼酎「二階堂」のCMみたいなことになっちゃいましたが、あの切なくなるようなどこかで見た夕焼けが残っている貴重な空間が、路地裏だと思うのです。
(ちなみに今、頭の中に漁船とおばちゃんを思い浮かべてる方がいたら、それは「二階堂」ではなく「白鶴 ○(まる)」のCMです。)

弁天横丁 弁天横丁

とにかく、いつかもし川越に来る機会があったら、ゆったりのんびりじっくり楽しんでいってください。このサイトは幾分あれですが、それを帳消しにするくらい、歴史とか雰囲気とか様々な要素の入り混じった本当に良い街なんで。
そう、結局のところ川越はテーマパークではなく街です。川越のパンフレットが推してる以上の楽しみ方なんていくらでもあります。
イモを食べた後にうなぎでも、うなぎを食べた後にイモでも、全てあなたの自由です。イモを食べた後うなぎに行くと見せかけて、店先で再びイモをかじる暴挙にでてもかまいません。誰へのフェイントだったのかわかりませんが好きにしてください。

いつでも川越は皆さんをユニークにお迎えします。これを日本語で言うと、
「お・も・て・な・し」

滝クリシルエット

それでは、いつか小江戸の街角で。

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